「ひろゆきに適当なことを喋らせよう!」──こんなコンセプトで生まれた音声サービスがTwitterで注目を集めている。サービス名は「おしゃべりひろゆきメーカー」。音声合成サービスを手掛けるCoeFont(東京都港区)が9月5日に公開した。公開直後から反響があり、一時「おしゃべりひろゆきメーカー」がTwitterトレンド1位となるなど話題となっている。ひろゆきこと、匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者の西村博之さん本人も公認のサービスだといい、著名人の音声を提供することで自社サービスのユーザー数増加を狙う。
同サービスは、専用サイトで入力したテキストデータを、ひろゆきさんの声で読み上げる音声サービス。音声とともに、ひろゆきさんが話している様子を動画データとしてダウンロードすることもできるようにしている。SNSでの拡散を想定し、Twitterでのシェア機能も実装した。
同社は、ひろゆきさんが公式YouTubeチャンネル「ひろゆき,hiroyuki」に投稿している動画データをAIに学習させ、音声のサンプルデータを生成。ユーザーが入力した言葉と音声が合うように組み合わせることで、まるで本人が話しているような体験をユーザーに提供している。
同社はすでに音声合成サービス「Coefont」(コエフォント)を提供中で、従来であれば決まった長さの文章を読み上げ、音声をクラウド上に登録することで、データを生成しているが、同社によると、ひろゆきさんから「めんどくさいので、オイラの過去の音声を切り抜いて自由に作ってください~」との要望があったため、従来の方法とは異なる形で生成したという。
同社はユーザー数増加を念頭に、こうしたサービスを提供している。同社の担当者は「個人や法人が音声合成のサービスに接する機会が少ない。少しでも接点を持ってもらいたかった」と話す。
同社は2021年4月、コエフォントのサービスを開始。東京工業大学在学中の早川尚吾社長がサービスを開発し、同年7月には15分・500円という課金形式でユーザーの声を合成音声化する「CoeFont CLOUD」を正式リリースした。
プロフィギュアスケーターの鈴木明子さんや声優の森川智之さん、ジャーナリストの田原総一朗さんなども自身の声を合成音声として有料で提供しており、使用された場合は声の主に収益の一部が配分される仕組みのため、当初はクリエイターをターゲット層としていた。
その後、喉頭がんによる声帯摘出やALS(筋萎縮性側索硬化症)で声を失った人向けに、自身の声を事前に保存する無償サービスや、著名人の声を使ったオーディオブック関連サービスなどサービスの幅を広げている。
知人の紹介で偶然知り合ったひろゆきさんに合成音声化を打診。快諾してもらうとともに、本人の厚意で無償提供も実現した。
Twitterでは人気アニメ『サザエさん』の次週予告編風の動画が話題となっている他、ひろゆきさん本人も「カレーは飲み物だと思うんですよね」という動画を生成し、自身の公式Twitterアカウントに投稿。大きな反響を呼んだ。
同社は「実際にどの程度利用されるか分からなかったが、ここまでの反響は想定外」との受け止めを示す。「公開間もないのでユーザー数の増減は分からない」としたものの「サーバーへのアクセス数は通常の数十倍になった」(広報担当)という。
「遊びを通じて、音声合成サービスを一度体験してもらうことで、体験のハードルが下がる。“声のインフラ”となれるよう、いい声をいつでも簡単に誰でも使える社会にしていきたい」(同社広報)
従来サービスのコエフォントではその他、プレゼンの読み上げや音声案内での用途を想定し、法人プランなども提供しており、小学館やプレジデント、ポケトーク、全日警、凸版印刷などが採用している。

(出典 news.nicovideo.jp)
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